5回目は春から初夏にかけて旬を迎える鳥貝
海の香と柑橘の硬質な輝き── 鳥貝とアシルティコが奏でる地中海の共鳴
鳥貝の持つ独特の磯香と、噛むほどに広がる甘み。それは日本の初夏を象徴する“潮の味覚”であり、軽やかでいて滋味深い存在感を放つ。
この貝に寄り添うのは、ギリシャ・サントリーニ島を代表する土着品種 アシルティコ。火山性土壌に育まれた柑橘の硬質な香りと鋭い酸、そして旨みの充実感が、鳥貝の旨味を引き締め、海と大地の物語を重ね合わせる。
磯の甘みと柑橘の緊張感、そして旨みの同調。鳥貝とアシルティコの組み合わせは、海洋文化が交差するグローバルなペアリングであり、ニューヨークなど、世界の鮨屋で注目されるワインだ。
鳥貝 × アシルティコ(ギリシャ・サントリーニ島)
◯ ペアリングのロジック
- 鳥貝の噛みしめるほどににじみ出る甘みと海藻的なニュアンスに、アシルティコのレモンやグレープフルーツを思わせる酸が鋭いコントラストを与えます。
- 火山性土壌由来のミネラル感が、鳥貝特有の潮の風味と共鳴し、余韻に“硬質な輝き”を残します。
- 日本の初夏の貝と、地中海の土壌に育つブドウが重なることで、地域性を超えた“海と大地の対話”が成立します。